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“快適性”と“防犯性”の両立を考える

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前回、テレビ離れによる住まいの変化について触れました。

(「暮らしの変化、住まいのあり方」参照)

1階に寝室をもってくるというのは、20年、30年と年齢を重ねても無理なく快適に暮らせる住まいとして、とても気のきいた考え方です。

しかし、住まいのあり方を考える上では、“快適性”のほかにもうひとつ見落としてはならないポイントがあります。



それは、“安全性”という観点です。

安全という視点から見ると、1階に寝室を置くことが必ずしもベストであるとはいえません。

 

昨年は、学生などがSNSを介して空き巣や住居侵入などの犯罪に加担する、いわゆる『闇バイト』の存在が大きな社会問題となりました。

犯罪のターゲットとして、自宅の情報がSNSで簡単に共有されてしまう時代です。家にも、住む人にも、これまで以上に防犯意識を高く持つことが求められます。

なかでも1階の窓や出入り口は外部からの侵入口になりやすい部分なので、防犯対策をしっかり施さなければ、住まいの安全性が大きく損なわれてしまいます。

 

また、災害時の安全という意味でも、考えさせられることは多いです。

近年増加している豪雨災害では、1階部分が浸水するケースが各地で報告されています。

地震による被害も同様で、建物が崩壊するときには1階部分が押しつぶされるように崩壊する、いわゆる層崩壊の被害が多く報告されています。つまり、就寝時に地震が発生した場合、1階で寝ている方が圧倒的に下敷きになるリスクが高いということ。

豪雨災害でも、地震でも、生活の拠点が1階のみになると、必然的に災害で受ける被害が大きくなると考えられます。

もし、災害への不安があるようであれば、リノベーションの前にまずハザードマップでご自宅付近のリスクの確認を。そのうえで、リスクを回避できるリノベーション計画を考えましょう。



永家舎のコンセプトにある“ ずっと続く”という言葉は、単に建物を長持ちさせることを意味しているのではありません。そこには、年齢を重ねても安心して住み続けられるように、安心で快適な暮らしが少しでも長く続くようにという願いも込められています。

 

だからこそ、住まいづくりにはこのような多角的な視点が求められます。

今を快適に過ごすことはもちろん、将来起こりうるさまざまな状況にも柔軟に対応できる。そんなしなやかさを持った住まいこそ、本当の意味での“ずっと続く”暮らしといえるのではないでしょうか。

 
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