先日、減築リノベーションのメリットと減築することで生じるデメリットについて少しお話しさせていただきました。
(「暮らしにメリットを生む減築リノベーション」参照)
しかし、気になるのはやはり費用のこと。「減築する」というと、増築と違ってそんなに費用はかからないだろうと思われるかもしれませんがが、実は簡単に「坪いくら」では計れないのが減築の費用なのです。
一口に『減築』といっても、さまざまなパターンがあります。
たとえば、
・母屋の1階部分を削る
・母屋の2階だけをなくす
・離れや納屋、ガレージを解体する
・増築した部分を撤去する
増築部分を撤去したり、離れを壊したりというのは比較的簡単ですが、2階部分だけを取り払うというと、かなりデリケートな作業になってきます。
つまり、解体する部分の面積だけでなく、どの部分を解体するかによって、必要な作業の慎重さが変わってくるため、それに応じて費用も変動するというわけです。
減築によって生じるデメリットもありますが、実は減築しないことで生じるデメリットの方が大きいと、私たちは考えています。
大きすぎる家をそのまま維持することは、さまざまなリスクを抱え続けることになります。メンテナンス費用は建物の規模に比例して高額になり、手入れを怠れば補修費用がふくれ上がる。さらに、広すぎる空間を持て余す心理的な負担も無視できるものではありません。
老朽化した部分をそのまま残しておくのですから、台風などの災害時に瓦が飛散するなど、人命に関わる事故の危険性すら孕んでいます。
建物の在り方は、時とともに変化していきます。
たとえば、「同居するかも」「家族が増えかも」など、“将来この空間を使うかもしれない未来”が可能性としてあるのなら、メンテナンスをしながら残しておくのも一つの選択です。
しかし、"思い出の詰まった家を自らの手で壊したくない"という感情だけで、手に余る建物を維持し続けることは、先々必ず大きな負担となってのしかかってきます。
大切なのは、建物と共に歩む未来の暮らしを見据えること。そこから、自分らしい住まいの形が見えてくるはずです。
少し現実的な話をするならば、解体費用は年々上昇傾向にあります。早めの決断が、結果的にコスト削減につながるかもしれません。
FOLLOW US ON Instagram
FOLLOW US ON FACEBOOK