「人生の最期をどこで迎えるか」
この問いに対し、自宅で最期を迎えたいと答える人は多いでしょう。
もちろん病室不足という社会的な背景もありますが、ご本人やご家族の希望によって、慣れ親しんだ自宅での最期を選ぶケースはやはり少なくないはずです。
そのために古くなった家をきれいにし、快適に整えておくということは、もはや終活の一部といっても過言ではありません。
子どもの立場で、高齢になったご両親のためにリノベーションをしてあげるという選択肢もありますが、理想は老後を迎えるご本人が「体が思うように動かなくなったとき、この家でどのように過ごしたいか」という視点をもって、楽しみながらリノベーションを計画することです。
なかでも大切なのは、長年馴染んだ暮らしや思い出を一掃するのではなく、古くてよいところ、気に入っているところはそのまま残しておくこと。そのうえで、快適性を高めるための新しい様式を取り入れていきます。
かつては、子どものためにお金を残すことが親の務めとされてきました。
しかし、時代とともに価値観は変化し、現代では自分たちの老後のためにお金を使い、幸せに人生を全うすることが、子どもにとっての安心となりつつあります。
実際に、ご高齢のお客さまが将来を見据えてリノベーションの相談に来られるケースはたくさんあります。
「子どもに負担をかけたくない」という気持ちから、自宅でできる限り自立した生活を送るためにリノベーションを選ばれる方。ただ、残りの人生をもっと快適に過ごしたいという方。
リノベーションを選ぶ理由はさまざまですが、老後の暮らしを豊かにするための投資であることには違いありません。
人生100年時代と言われる今、老後をどう過ごすかは、とても大きなテーマです。
皆さんもぜひ一度、老後をどのような場所で、どのように過ごしたいか考えてみてください。自分らしく年を重ねていくために、我が家をどのように変えていきたいのか。
愛着ある我が家で、最期まで自分らしく暮らす。単に家を新しくするだけでなく、これまでの人生を振り返り、大切にしてきたものを活かしながら、新しい暮らしを築いていく。
そんな選択肢もあるのだということを、できるだけ多くの方々に知ってもらいたいと思います。