永家舎では、内装をコーディネートする際に色味を3つまでに抑えるよう意識している、ということは先日お伝えしました。
(『
リノベーションにおける内装の色彩選択』参照)
色数を限定するのは、そうすることでノイズをなくし、落ち着きのある空間を生み出すことができるというのが大きな理由です。
この『ノイズ』という言葉、最近よく耳にしますが、色数の多さ以外にもノイズになり得るものがあります。
たとえば、ライン。
素材の切れ目や継ぎ目に使われる見切り材や、天井や床と壁の境目にぐるりと取り付けられた廻り縁や巾木。こうしたラインが目立つほど、空間は重たく感じられます。
だから、インテリアのスタイルによっては壁と見切りの色を統一したり、できるだけ細く目立たせないようにする。あるいは、見切りなしで施工するといった選択肢も検討します。
これはリノベーションしたあとの問題になりますが、家具もノイズになりがちです。
色味や素材、デザインなど、空間にしっくりと馴染む家具を選ぶのはなかなか難しいもので、ほんの少しの選択ミスが室内に不協和音をもたらします。
それを考えると、やっぱり造作家具がいいですね。
置き家具の場合は家具選びも含めてトータルでおまかせいただくことが、ノイズのない空間に住むための近道となります。
ところで、ノイズというと一般的には画面の乱れとか雑音のことを指しますが、実は目に見えないノイズも存在するのをご存知でしょうか。
室内でいうと、建築材料や家具で使われる塗料や接着剤といった化学製品がそれにあたります。
永家舎が無垢材や塗り壁などの自然素材にこだわるのは、ただ見た目や素材感がよいからというだけでなく、こうした見えないノイズを消すためでもあるのです。
私たちが目指すのは見た目の美しさだけでなく、住む人の身体に影響のあるノイズをなくすこと。それこそが、本当の意味での心地よい空間づくりではないでしょうか。