建設業界の人手不足は、他の業種を上回るペースで深刻化しています。
高齢化による職人の引退、若手の人材不足、そして建築技術の伝承の難しさ。この三重の課題に近年、業界全体が直面しています。
それは大規模な現場だけの問題でなく、住宅現場においても年々深刻さを増しています。
とくに、“建てたあと”。アフターメンテナンスの現場おいて、その傾向が顕著です。
アフターメンテナンスの現場は、年を追うごとに増えていきます。永家舎にはアフターサービスの専任チームがありますが、それでも即日対応は容易でないのが現実。
とくに、ちょっとした調整や小規模な修繕は、人手不足の影響をまともに受けます。AIやロボットでは代替できない人の手による繊細な作業だからこそ、直面している課題でもあります。
怪我をしたとき、体調が悪いとき、いきなり病院へ行く人は少ないでしょう。
まずは自分で消毒をして、絆創膏を貼る。熱を計って、風邪薬を飲んで横になる。
救急車を呼びたいときでも、まずは救急安心センター(♯7119)に電話をして相談することが求められています。
それと同じように、住まいのトラブルにも段階的な対応が必要な時期がきています。
定期的な点検方法、簡単な補修の仕方、異常を見分けるポイント。こうした基礎知識があれば、多くの場合は初期段階での対応が可能になります。それは同時に、本当にプロの助けが必要な状況を見極める目も養うことができます。
近年、DIYが人気です。
壁紙を貼り変えたり、ちょっとした家具をつくったり。インテリアからエクステリアまで、自分好みにカスタマイズする楽しさが広く認知されてきました。
今後はDIYと同じように、自分自身で家のメンテナンスや応急処置を行う『セルフメンナンス』という考え方が当たり前になっていくのではないでしょうか。
住まいと末永く付き合っていくために、私たちにできることは意外とたくさんあります。セルフメンテナンスという住宅との新しい関わり方を知って、住まいに対する愛着をさらに深めていけるといいですね。