コロナ禍真っ只中の2021年、木材不足と価格の高騰で住宅業界を揺るがせたウッドショック。
当時と比較すれば、今の木材価格は下落傾向にあるものの、まだ完全に落ち着いたとはいえない状況が続いています。
ウッドショックを機に輸入木材から国内産の木材に切り替えたという住宅会社も多いと聞きますが、永家舎には県産材の仕入れや加工を専門に行う永木舎というグループ会社があり、20年前から福井県の県産材を使用しています。
そのため、一時的に木材が入りにくくなった以外には、ウッドショックによる大きな変化はありませんでした。
ところで、県産材を使ってリフォームすると、福井県の補助制度を活用できることをご存じですか?
以前は補助対象が30平米からに限定されていたため、制度を利用しようと思うとかなり広範囲に木材を使用する必要がありましたが、今は1平米からに条件が緩和されているため、内外装だけでなく窓の枠材や畳の下地材など、ちょっとしたところでも補助金を使えるようになりました。
さらに、越前瓦や越前和紙などとあわせて使用することで、補助金が上乗せに。
県産材を活用したふくいの住まい支援事業(リフォーム)
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kensanzai/reform.html
自然素材や地産地消を大切にする永家舎としては、今後も目いっぱい活用していきたい制度ですね。
この支援制度は地域産業(林業)の活性化や地球温暖化対策の推進を目的として創設されたものですが、私たちは県産材を使うメリットはもっと単純なものだと思っています。
スーパーなどで売られている野菜には、産地だけでなく生産者の名前が表示されているもの、さらには生産者の顔写真がついたものまでありますよね。
これはトレーサビリティ(製品の流通過程を追跡可能にする仕組み)の一環として行われているもので、「いつ・どこで・誰が」作ったものかが明確になるため、生産者にはそれだけの責任が求められます。
だからこそ、私たち消費者も安心して手を伸ばすことができますし、それが自分たちの地元でつくられたものだと思えば、より安心感も高まるでしょう。
家に使われる木材も、それと同じではないでしょうか。
食べたものが悪ければ、人は病気になります。それと同様に、家の空気が悪ければ、人は病気になります。
口から入る食べ物に安心を求めるのと同じように、長い時間を過ごす空間に安心を求めることは、ごく当たり前のことだと思うのです。
そして、もうひとつ。
“福井の気候で育った木材”という点も地産地消のメリットであり、安心材料です。
福井の気候に馴染んだ木材は、伐採され、加工されたあとも、その性質を残します。
長年の風雪に耐えて育った、福井のスギ。
そんな木材を使うことこそが、本当の意味での“気候風土に合った家づくり”といえるのではないでしょうか。