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屋根を見れば、築年数がわかるという不思議

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永家舎はリフォーム・リノベーションを専門にしているため、古い建物を見る機会が多いです。
古い建物ばかり見ているので、否応なしに住宅の歴史にもくわしくなります。

歴史といっても、寝殿造りとか書院造りといった教科書に載るようなものではなく、明治時代に西洋の様式を取り入れた和洋折衷の住宅が流行したとか、明治から昭和にかけて瓦屋根や縁側のある一般的な日本家屋が普及したとか、戦後はプレハブ住宅や新建材を使った家が急増したとか、住宅デザインの変遷といった類のもの。
 
とくに屋根の形には、流行が顕著に現れます。
日本の家屋は基本的に切妻が多いのですが、その年代によって寄棟だったり、陸屋根だったり、片流れだったりと、人気の型がありました。

だから、建物をひと目見れば、屋根の形や老朽化の度合いから、だいたいの築年数が予測できてしまいます。
面積や向き(方角)、構造なども、ある程度は判断できます。
建物だけでなく、地名を聞けば土地の特性もだいたいわかります。
なかには、外観だけで「どこの会社で建てた」ということまでわかってしまう家もあります。
 
初対面にもかかわらず、Google MAPを見ただけでこんなことを言い当ててしまうのですから、お客さまもびっくりですよね。
よく「占いは統計学」などといいますが、長年の経験で蓄積されたデータや知識をもとにしているという点では、私たちの仕事も占い師とちょっと似ているかもしれません。
 
逆にいえば、昔からある材料を使った建物、流行り廃りのないデザインの建物だと、ちょっと見ただけで「いつの建物か」を言い当てることはまず不可能です。

洋服などは、流行に合わせて買い替えることができます。
道行く人みんなが着ていたような服でも、流行が去れば誰も着なくなり、10年、20年たっても同じ服を着ている人は「遅れている」と笑われます。
その点、しっかりとした素材を使った、流行のない型の服は、何十年でも着続けることができます。20代で買った服を、体型さえ変わらなければ40代、50代で着ることも可能なのです。
 
家も、それと同じではないでしょうか。
「流行遅れ」だといって笑う人はさすがにいませんが、何十年と愛着を持って住むためには、やはり流行のない“型”や“素材”を選ぶことが大切です。
体型(家族構成)が変わったら、リノベーションすればよいのです。それが、家を住み継ぐということなのですから。
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