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建物は増やすのではなく、整理する時代

  • リノベーション
「そろそろマイホームを」と考えたとき、中古住宅を買ってリフォームというのも最近増えていますが、ほとんどの方は新たに土地を買って家を建てます。
ご両親が田んぼや畑を持っていれば、農地転用してそこへ建てる方もいらっしゃいますし、実家の敷地自体に100坪を超える広さがあれば、敷地内の空いたスペースに小ぢんまりとした家を建てるというパターンもあります。
しかし、敷地が広いということは母屋も大きい場合がほとんどなので、最終的には、
 
「実家の敷地内に新築する」
「実家を二世帯に改修する」
 
という『敷地内同居』と『二世帯同居』の二択で悩むことになります。



そんなとき、永家舎としては建物に問題がない限り、母屋を二世帯にリノベーションすることをおすすめしています。
 
戦後、日本ではスクラップ&ビルド(壊して、建てる)が常態化し、その様子は「日本人の新築信仰」とまでいわれてきました。
次々と家を建てた結果、空き家が深刻化し、今では既存の建物を活用すること、手を入れながら長く住むことにシフトチェンジされつつあります。
 
つまり、今は建物を増やすのではなく、整理していく時代なのです。
 
しかし、二世帯リノベーションを視野に入れつつも、「本当は同居したくない」と考えている方も当然いらっしゃいます。
必要な距離感はその人、そのご家族によって違いますから、そういう事情があるとわかれば、二世帯リノベーションも無理にはすすめません。



次のステップとして、敷地内に余った建物がないかどうかを確認します。
もし、使っていない小屋や蔵などがあれば、それを改修して住むことができないかどうかを考えます。
(『『蔵』を住居として改修するうえで必要なこと』参照)
 
別棟を建てるのは簡単ですが、建物を増やすということは、将来的に空き家が増えるということです。
人が住まなくなった家は老朽化も早く、害虫や害獣が住みついたり、地震や台風などの災害で倒壊したりと、さまざまなリスクを生みます。
 
だから、建物は不必要に増やさない。
将来的に誰も引き継ぐ予定のない建物は、次の代に迷惑がかからないよう、今の代で整理する。それも、ひとつの終活です。
 
ご両親や祖父母が暮らしていた思い出深い家を、自分の代で壊してしまうのは心苦しいかもしれません。しかし、それは子どもたちも同じ。
 

 
今、解体費用は右肩上がりで、今後さらに上がることはあっても、下がることはないでしょう。
 
維持していくのも大変。
解体するのも大変。
 
そういう時代なのだと肝に銘じて、まずは「今ある建物を活かす」方法を一緒に考えていきましょう。
無計画に建物を増やしてしまえば、その負担を背負うのは将来の子どもたちなのですから。
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