数十万円程度のリフォームなら、ほとんどの人は自己資金での工事も可能ですが、ちょっと大がかりなリノベーションになると数百万円、場合によっては新築並みの建築費になることもめずらしくありません。
60代の方だと退職金を自己資金に、老後の楽しみとしてリノベーションされる方が結構いらっしゃいますが、20代・30代の方の場合は、やはりローンを組むのが一般的です。
(『
「しっかりと計画を立てる」ことから始まる住まいづくり』参照)
では、リフォームやリノベーションで使えるローンとはどういうものなのでしょうか?
銀行の窓口やキャッシュコーナーで『リフォームローン』というチラシやポスターを目にしたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、結論から言ってしまうと、リフォームやリノベーションであっても新築と同じように『住宅ローン』が使えます。
リフォームローンがどんなときに使われるのかというと、「担保が設定できない」とか「住宅ローンが借り入れ限度額に達している」など、なんらかの理由により住宅ローンが使えないとき。
リフォームローンは審査基準がゆるい分、金利も高めに設定されているので、特段の事情がない限りは住宅ローンを使います。
以前は自己資金をお持ちの方であっても、所得のある方には「住宅ローン控除を受けられるから」と住宅ローンの融資を受けるようすすめていましたが、最近では金利が上がってきたこともあり、住宅ローン控除のメリットも薄くなってきましたね。
住宅ローンの契約の際には団信(団体信用生命保険)に加入するので、ご契約者に万が一のことがあった場合を想定して、自己資金は手元に残したまま住宅ローンを組むというのも一案だと、ご説明することもあります。
しかし、自分で建てた家をリノベーションする場合「新築時のローン返済が終わって、ようやくリノベーション」ということも少なくありませんから「せっかくローンが終わったのに、またローン」と、住宅ローンという選択肢に対して抵抗感を示す方もいらっしゃいます。
このような事情もあるので、資金について相談されれば、私たちにもアドバイスはできますが、実際にどうされるかの最終的な判断はお客さまご自身でされることになります。
ただ、「家を直したいけど、資金をどうしよう」というときのため、「リフォームやリノベーションにも住宅ローンが使えるんだ」ということだけは、頭の片隅で覚えておいていただきたいなと思います。