家族でくつろぐ新しいLDKにも、古民家再生ならではの心遣いが息づいています。「リビングは造作建具や家具などは落ち着いたカラーにして、キッチンとダイニングはスタイリッシュなオーク系にするなどトーンを分けました。大きな梁が見える吹抜けもすごく気に入っています」とKさま。LDKの床材は悩んだ末にナラの無垢材を使うことで、明るい雰囲気になったとのこと。
お手入れしやすいステンレストップのアイランドキッチンと、北欧のインテリアを思わせるシックな紺色の壁面タイルは、奥さまがセレクト。「夫が料理好きなので、使いやすいようキッチンは少し背を高くしています。キッチン横に長いカウンターを取り付けたので、家事をしながらそこで子供たちが勉強する姿とかを見られるのもいいですね」と笑顔がこぼれます。
ご夫妻での晩酌も楽しみのひとつだそうで、お酒のコレクション棚をつくりバーカウンターを設置。また、Kさまの趣味である熱帯魚の専用ルーム、2階のファミリースペースにある壁一面の大きな本棚は、読書好きの奥さまのリクエスト。「しまいこんでいた本たちを並べ、ここでゆっくり読書する時間ができたら」と家で楽しく暮らすためのアイディアもたっぷり取り入れました。
自ら薪ストーブ用の薪小屋を建てたという多趣味なKさま。「棟梁が気さくな方で、作り方を教えてもらったり、材料の手配を手伝ったりしてもらいました。薪割りも面白いし、薪ストーブを眺めながらお酒を飲むのが楽しみ」と、新しい趣味が増えたと話します。
古民家再生は、過去と未来が交わるかけがえのない時間も生みだしてくれたといいます。仏間の改修では、Kさまは聚楽壁の塗りなおしについてお父さまに相談したそう。「昔の家のことを知る父に、以前はどんな色だったのか、これからどんな色を塗るといいかなどアドバイスをもらいました」とKさま。仏壇を置くスペースを一段上げるなど「今しかできないことができた」と胸を張るKさま。時代を超えて家族の営みを見守ってきた古民家が、祖父、父、そして息子へと、しっかりバトンタッチされたことを感じます。
約1年かけて生まれ変わった古民家を見て、Kさまは「正直すごいと思いました。こんなにも生まれ変わるなんて」と感動を隠しませんでした。改築中の現場によく足を運んでいたという父も、昔のまま美しく甦った姿に「すごいね。見違えるようだ」と自然と笑みがこぼれ、おばあさまもうれしそうだったとのこと。
入居にあわせ、ダイニングには以前に庭で伐採した大きなヒノキを使ったダイニングテーブルが届くとのこと。子どもたちも大きな家の中をうれしそうに走り回り「いつも子供たちの笑い声が聞こえてくるんじゃないかな」と奥さま。Kさまは「自分の代だけではもったいない。子供たちの誰かがこの家を受け継いでくれると、民家再生をやった甲斐があったと思いますね」と熱く語ります。
古民家の再生。それは、家族の新しい歴史の始まりとなるもの。代々受け継いできた住まいに新しい生命が吹き込まれ、これからまた未来へとつながっていきます。
FOLLOW US ON Instagram
FOLLOW US ON FACEBOOK