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住まいと、住まい手も健康にする「住宅医」

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“住宅医”というものをご存知でしょうか?

“住宅医”とは、ただ建物の状態を調べるだけでなく、「治す力」も兼ね備えた建築士のことです。
2019年3月現在、全国で97名が登録されています。(一般社団法人住宅医協会 公認)
 
近年、既存のストック住宅が増え中古住宅の売買も増えてきています。
それに伴い、現況建物の調査診断(インスペクション)が義務化されました。
 

一般的な「調査診断」と呼ばれるものは、「劣化」の調査診断が主になっています。
一方で、“住宅医”による調査診断とは、既存住宅や中古住宅における、
「劣化」・「耐震」・「温熱(省エネ)」・
「維持管理」・「バリアフリー(高齢者対策)」・「火災時の安全性」

の6項目について、詳細に調査を行うことをいいます。

*改修実績報告シート(抜粋)
 

これら6項目を定量化・数値化することで、国が定める住宅性能表示制度を指標とし、既存住宅の性能を「見える化」しています。
さらに現状の性能値からどこがどう改善するかを「見える化」し、提案していきます。

 

*赤字…ビフォー/青字…アフターの数値
*「省エネルギー性」の数値はデータなし、基準数値は達成
 

 

日本の住宅は長い歴史を重ねる中、色々な災害を乗り越えてきました。
そこに職人の技能と工学的な指針が加えられ、現代の木造住宅が築き上げられてきています。
そこでこれからは、つくる力に加えて「治す力」も養わなければいけません。
 

「新築したほうが楽ですよ。きれいになりますよ。」と話しているのをよく耳にします。
問題を抱える住まい手に説明する際に使う決まり文句です。
本来、建築関係者は家をつくり、その家を治すことが仕事のはずですが、多くの方が壊すことを勧めています。
家族の住まいに対する思い入れより、面倒臭さや手軽さが最優先で家づくりが左右されるのは悲しい現実です。
環境保全の観点からも、カーボンストック(「壊して燃やす=二酸化炭素を排出する」のではなく、再度建築材として活用する)は有意義な事だと思われます。
 




家を治すことより壊すことを勧める世の中にしないために、1軒でも多くの家を助け、治療方法を見つけ施すことが住宅医の使命だと言えるのです。
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