「北枕はダメ!」
と言われたことのある人、いませんか?
理由として、「北枕は仏様(亡くなった人)の寝かせ方だから」という言い伝えや、「気の流れが悪くなる」という風水の考え方があるようです。
しかし、実際には北枕がよいとする見方もあり、最近ではむしろ北枕を推奨されることも少なくありません。
北枕がよいとされるのは、地球の磁場が関係しています。
人体には微量の磁性体が存在し、地球の磁場の影響を受けています。北枕で寝ることで、体の磁場と地球の磁場が同調し、より深い睡眠が得られるのだとか。
また、頭部を北に向けることで血液循環が改善され、脳の働きが活性化されるという説もあります。
そのほか、昔は北枕=高貴な人の寝方だったため、一般庶民には許されてなかった。だから、「北枕はダメ」と言われるようになったのだとも。亡くなった人が北枕で寝かされるのは、仏様になれば北枕を許されると、そういう考え方だそうです。
こうした言い伝えのほかにも、風水や家相など間取りにはさまざまな考え方があります。
しかし、大切なのは北枕の話と同じように、それを鵜呑みにするのではなく、きちんと意味を考えてみるということ。意味を知れば、なぜダメだといわれるのかがわかりますし、なぜそうするべきなのかも理解できるはずです。
たとえば、家相で鬼門・裏鬼門に水回りを配置してはいけないといわれているのは、元を正せば北東に水回りがあると空気がよどんで湿気がたまりやすいとか、南西のキッチンは食品が傷みやすいという、れっきとした理由があります。
つまり、風水や家相はヒントのひとつにすぎず、本当に大切なのは「家を長持ちさせ、家族みんなが健康で過ごすためにはどうすればよいか」を考えながら設計することなのです。