同じ福井県内でも、嶺北地域と嶺南地域では気候風土が大きく異なります。
川端康成の小説『雪国』のなかに、
「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった」
という有名な一節がありますが、福井県では文字どおり今庄トンネルを境に天候が一変します。
そして、そんな気候風土の違いは住宅の特徴にも表れています。
まず、注目したいのは建物のデザインです。
積雪の多い嶺北では軒の位置が高く、雪が落ちやすいよう屋根の傾斜も急な建物が大多数を占めています。
それに対し、嶺南では埋もれるほどの雪はめったに降らないこともあり、軒が低く、屋根勾配も比較的緩やか。
全体の重心が低いせいか、古民家ながらどこかスタイリッシュな印象を受けます。
また、福井市をはじめとする旧北陸街道に沿った地区では屋根の妻側が正面を向いた妻入の『農家型』民家が多いのに対し、若狭方面では城下町である大野・勝山と同様に『町家型』の民家が多いのも特徴です。
次に、古民家の状態に着目してみましょう。
第二次世界大戦末期の福井空襲によって、福井市では市街地の8割以上が焼野原となり、多くの住宅が焼け落ちました。
敦賀市でも、敦賀空襲により7割もの住宅が燃えてしまいましたが、若狭地方は空襲による被害をほぼ受けておらず、今も築100年を超える古民家が数多く残っています。
さらに、嶺南の建物の状態がよいのは、雪の量も関係していると考えられます。
雪が少ないということは、建物にかかる負荷も小さいということ。その分、傷みが少なくよい状態を保てているのでしょう。
そして、嶺南地域の最大の魅力。豊かな自然。
若狭湾に面し、県境には山々が連なり、美浜町と若狭町をまたぐ5つの湖があるなど、地形の特性上、嶺南という地域はその全体が雄大な自然囲まれています。
永家舎でも嶺南地域の家は何件か手がけており、そのなかの一軒は昨年春の古民家バスツアーの見学ルートにも組み込まれました。
三方五湖が見える、築100年の若狭の古民家です。
2階に新設したピクチャーウィンドウには、見慣れたはずの三方五湖の絶景が絵画のように広がります。
嶺北の会社だからこそわかる、嶺南のよさ。嶺南の建物の個性。
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