東日本大震災や熊本地震等の大地震による建築物の被害は、
特に昭和56年5月以前
(旧耐震基準)に建てられた住宅に集中しています。
地震に対する倒壊・崩壊のしにくさ、強さは、建築基準法によって定められていますが、
その基準は建てられた年代によって異なります。
建築基準法は大地震が起こるたびに改正されてきましたが、1978年宮城県沖地震は特に被害が大きかったため、
これを受けて1981年(昭和56年)にこの基準が大きく改正され、それまでの基準を
旧耐震基準、以降を
新耐震基準と呼んで区別しています。
また2000年にも、阪神淡路大震災を受け、金物の規定や壁量バランスなど、更に規定が加えられました。
古い基準で建てられた建築物は、基礎が弱かったり、壁が不足していたり、バランスが取れていなかったりなど、地震に弱い構造が多く見受けられます。
耐震補強を行う場合は、1981年以降の新耐震基準に合致させるよう耐震改修を行うのはもちろんのこと、2000年以降の規定に沿って金物の補強なども行っておくことが必要となります。
また補強方法については、近年さまざまな方法が開発されており、その方法について専門家による十分な検討がされていない物もあるため注意が必要です。
経済性の検討も含め従来の工法と比較検討するなどして、
各々の住宅にあった補強方法を提案してくれる会社を選ばれることが大切だと思います。
耐震診断・補強プランの依頼先については、県の木造住宅耐震補強事業などで専門家の名簿を公開しているので参考にして頂ければと思います。
しかしそれはあくまで現状の間取りでの補強プランであり、
改修に合わせ大きく間取りを変更したい場合の補強プランには別途費用が発生するケースもあると思います。
そのため依頼前に確認することをお勧めいたします。
診断費用は方法によっても異なりますが、5万円〜20万円程度が目安となります。
1981年以前の住宅ですと福井市の場合、診断費用と補強プラン10万円の内、9万円補助してくれる制度もあります。
また
耐震補強工事に補助金が出る自治体が多いのでお住まいの市町村に問い合わせてみるといいと思います。
特に旧耐震基準の住宅にお住まいの方は、地震による被害から人命を守るため、できるだけ早く耐震化を進めましょう。