日本の住宅の平均寿命は、約30年。現代の日本人にとっては、さほど不思議な話でもないかもしれませんが、この住宅寿命は世界的にみると極端に短いと言わざるを得ません。
戦後、日本では急速な都市化と人口増加に対応するため、低価格なプレハブ住宅が量産されました。
その時代、速やかに住宅不足を解消することが優先されたことで、人々は愛着よりも合理性を重視し、簡易的な構造や安価な材料の使用が一般化。
この合理性重視の家づくりによって、「建てては壊す」スクラップ&ビルドの考え方が定着し、それが当たり前とされた時代は何十年という長きに渡って続きました。
しかし近年、ようやく日本でも長期的な視点での家づくりが求められるようになりました。高品質な建材の使用、技術・性能の向上、そして適切なメンテナンスを行うことにより、家の寿命は着実に伸びています。
この変化は、私たちの住まいに対する価値観の転換を意味しています。
安価な材料で建てた、ありふれた家。本当の意味で愛着を持つことは難しかったに違いありません。長い年月をかけて愛着が育っていくこともあるかもしれませんが、自分の好みやライフスタイルに合わない部分が多いと、むしろ苦痛を感じることもあるでしょう。
しかし、どんな家にも必ずよいところはあるものです。30年もの間、その家と共に生活してきたのですから、そこには数え切れないほどの思い出が詰まっているはずです。
たとえ今は愛着が感じられなくても、その家の持つ潜在的な魅力を見出し、思い出を呼び起こすことで、愛着が生まれることもあるかもしれません。
リノベーションの真の目的は、自分が「好き」だと思える場所を増やすこと。
朝の光が差し込むキッチンでコーヒーを飲む瞬間。
家族と語らう、暖かいリビング。
静かに読書をし、趣味に没頭できるフリースペース。
そういった自分らしい空間をつくり出すことで、それまでただの器に過ぎなかった家は、愛着のある住まいへと姿を変えます。
かつては愛着のなかった家を、心から帰りたくなるような場所に変える。そんな新たな価値と変化を生み出すのが、永家舎のリノベーションです。
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